GET!~アイツを振り向かせたい気持ちは120%~
聞きたかった言葉。side*奈央



「ごめん。あたしちょっと抜ける!」


閉会式が終わると同時に、雪と花蓮に伝えたあたし。


「奈央ちゃんどうしたの~?」


「掃除サボる気?」


雪と花蓮が首をかしげる。駅伝大会が終了し、今から掃除があるのだ。


「よく分からないけど、志摩に呼び出された!」


「え?それって!」


雪が目をキラキラさせる。


「ううん、それがね、快二も一緒に呼び出されてて」


「快二くんも?なんでまた」


「あたしもそれがよく分からないの。でも、志摩からの呼び出しなんて初めてだから、その……」


2人をチラッと見る。


「じゃあ、早く行かなきゃね」


「こっちは大丈夫だよ~。いってらっしゃ~い!」


そして、2人に見送られてあたしは快二の元へと急いだ。


「快二っ」


クラスの男子と話に花を咲かせていた快二が振り向く。


「行くよ!」


「あ、おう」


そして、あたしと快二は無言で裏門へ向かう。


「志摩ってば、何の話だろうね」


「んー、さぁ。俺にも分かんね」


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