ホップ・ステップ・飛び膝蹴り

バスケ部員と初恋





あたしがまだ1年生で、部員の呼び方も苗字だった頃。

その頃は2・3年生にマネージャーはおらず、あたしが唯一のマネージャーだった。



だから、先輩方はみんな歓喜して迎え入れてくれた。



それはいいが、問題がとりあえずひとつ。

仕事がわかんねぇ。



少しずつ当時のキャプテンに訊いたり、洗い場のルールなんかは他の部のマネージャーから訊いて。



なんとか少しずつ仕事を覚えてはいたけど、死ぬほど大変だった。

くそ面倒だった。



当然のことだけど、あたしが頑張っても部の士気が上がるわけでもなく。

なにかあっても、ただ支えることしかできない。



そのことが、たまに悔しくてたまらなかった。



だけど、……あいつは違った。






< 10 / 40 >

この作品をシェア

pagetop