ホップ・ステップ・飛び膝蹴り

オトコノコと告白




土曜日の朝。

あんなに悩んだとは思えない熟睡の末のすっきりした目覚めだった。



自分のあっさり具合に思わずため息をこぼしそうになる。

くそ。



昼まで寝る気の兄貴たちは放っておいて学校へ。



今日はシュート率を出したり、2・3年生との3on3で1年生の力量をはかる。

結構ハードなんだよなぁ。



だから、



「あ、李穂せんぱーい」

「うるせ」



尚に構ってる時間なんてない。



ざっくり話を叩き切って、準備に駆け回る。



そうしていたら、尚や大成のこと。

恋愛のことなんて気にしなくて済むしな。

ちょうどいいんだ。



「先輩先輩っ。
今日使う記録用紙、残りめっちゃ少ないです」

「まじか」



そっか、昨日それは確認すんの忘れてた。



「コピー行ってきますね!」

「ごめん、頼む」



余計な仕事をさせちまってるな。

段取り最悪じゃん。



ひとりで、しかも手探りだった一昨年よりはマシだけど……。



せめてあたしも目一杯働こう! と気合を入れる。






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