蟲狩り少女
インフルエンザなら、しばらくは学校を休むことになるだろう。


しかし成績最下位の彼が休むことにあたって、質問する生徒は誰もいなかった。


「プリントや宿題は先生が届けに行くので、みんなは安心して勉強をしてください」


淡々とした言葉が教室に響く。


その言葉に安堵の表情を浮かべる生徒もいた。


インフルエンザの生徒の家に行って、もし病気を貰ってしまったら?


そうなれば自分も授業に追いつけなくなってしまう。


そんな不安があったみたいだ。


B組にもなると、勉強熱心な生徒たちが集まっているようだ。


そんなクラスメイトたちは、あたしや清野光磨によく勉強を聞きに来た。


本当はクラスのトップ3に聞きたいのだけれど、三岳友輝は休みになる度に教室を出て外で体を動かしているから、聞けないのだと言っていた。
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