蟲狩り少女
油断
それからも話合いは順調に進んで行き、黒板にはビッシリと生徒たちの名前が書かれていた。


「よし、残るは朝口がどの種目に出るか決めるだけだな」


三岳友輝がそう言いやりきったように息をはきだした。


結局、あたしは二人三脚と仮装行列に出場することが決まった。


これからは仮装行列の準備が大変そうだ。


それだけじゃない。


美術部に所属している子たちは応援団のイラストを巨大なベニヤ板に描かないといけないし、応援団をする子たちは振り付けなんかも必要になってくる。


「じゃぁ、ここから先はそれぞれの種目に別れて話合いを……」


三岳友輝がそう言いかけた時、後ろのドアが開いた。


振り向くと牧悟が朝口容子を連れて戻ったところだった。


でも……。


その光景にあたしは思わずハッと息を飲んだ。
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