蟲狩り少女
体調不良
リカちゃんと寄り道をして帰った日。


玄関を入って「ただいま」と声をかけてみても、お母さんからの返事はなかった。


駐車場にはいつもの車が停まっていたから、出かけてはいないみたいだけれど。



そう思いながらリビングを開ける。


リビングの中は真っ暗だった。


太陽の薄明りの中で電気をつけると、誰もいない。


けれど隣のキッチンからいい匂いがしている。


あたしはリビングとキッチンを隔てているドアをあけた。
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