教室の前まで戻ってきて、あたしは脇マサヤから手を離した。


「あれ、なんで皆教室に?」


中から聞こえてくる人の会話に、脇マサヤはまだ事態を把握していない。


あたしは説明しようか迷ったけれど、結局何も言わずに教室のドアを開けた。


瞬間、あたしと脇マサヤは注目を浴びる。


今すぐ自分の机に逃げ帰りたい衝動と戦いながら、あたしは先生を見た。


「ト……トイレから出た時に脇君が通りかかって……移動教室と勘違いしていたみたいなので……一緒に戻ってきました」


心臓がドキドキする。


こんな注目を浴びながらの発言は、自己紹介の時以来だった。


あたしはゴクンと唾を飲み込んで、先生の反応を待った。


先生はあたしと脇マサヤとを交互に見つめて「そうか。それなら早く席に座りなさい」と、言った。

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