三岳友輝の件があって以来、学校で蟲は見なくなっていた。


平和な毎日を繰り返す中、徐々に気温が上昇し、それに比例するようにクラスメイトたちは徐々に浮足立ち始めていた。


そう、もうすぐ夏休みだ。


それは誰もが待ちに待った長期休み。


すでに旅行や遊びに行く話でクラス内は盛り上がりを見せている。


父親のいないあたしの家庭ではどこかへ出かける事はあまりないけれど、それでも少しだけウキウキしている自分がいた。


夏休みに入ったら毎日図書館へ行って、好きな本を好きなだけ読む事が出来る。
それがあたしの楽しみだった。


「よぉ、おはよ」


夏休み前日の朝、光磨がいつも通り声をかけてくる。

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