蟲狩り少女
「おはよっ」


「お、今日はいつもより元気だな」


「えへへっ。夏休み楽しみだね」


「あぁ。何か予定が入っているのか?」


「予定ではないけれど、毎日図書館に行けるのが楽しみなの」


夏休みの楽しみが図書館だなんて言うと寂しい奴だと思われるかと思ったけれど、光磨は「里音らしくていいんじゃないか」と、言ってくれた。


「あ、夏休みに入る前にこれ返しておくから」


そう言い光磨はカバンから蟲狩りスプレーを取り出した。


「あ……それ……」


「これ、どこの店にも売ってないって気が付いてさ。もしかしたら同じものを持っていた里音が落としたものなのかなって思って」


「う……うん。実はそうなの……」
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