ひねくれ作家様の偏愛
『一応言うけど、私はライトノベルグループなんだ。こっちの方が口利きはしやすいよ』


『今まで以上に桜庭さんに支配されるのなんて、まっぴらですよ』


支配。
そんな風に思っていたのか。

私も囚われているというのに。
きみという存在に。
ありとあらゆる意味で。

お互い口にしない言葉だらけのまま、彼は契約書に捺印した。

無駄なことは考えまい。
私の矜持は彼と出会った瞬間から変わっていない。

海東智の才能を愛し続けること。


彼は生み出せる人間なのだ。
作り手なのだ。
滅多にない才能を持った男なのだ。

横から口を出すだけの人間に馬鹿にされてたまるか。
海東くんの才能を、こんな若さで終わらせてはいけない。





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