『陸、何度言えば分かるの?
 何度、陸に気持ちを伝えたら、陸は分かってくれるの?受け入れてくれるの?』




振り返らない俺の背中に紗奈の問いかけが鋭い刃となって突き刺さる。







『陸、私が好きなのは、どうしても振り向いて欲しいのは陸、陸なんだよ?』





紗奈の言葉に、


本当に俺を好きだというのなら、どうして海と付き合う?

本当に俺を振り向かせたいというのなら、どうして海と別れない?


そう、紗奈に問いかけてしまおうかと思った。









『陸、確かに私は最低だよ?
 陸ともう一度会うためなら、弟の海君を裏切っても平気。
 もう一度陸の一番近い人になれるなら、海君を傷つけてもなんとも思わない。

 最低、本当に最低な女だと思う…。

 けど、誰かを犠牲にしても、誰かの想いを利用してまでも、叶えたいのは、陸にフラれたあの日からただ一つ、たった一つだけなの…。

 “もう一度陸の一番になりたい”、それだけなんだよ?』








どうして、そこまでしても俺なの?


一途に、真剣に想ってくれてる奴が、すぐ隣にいるじゃん?


どうして、なんで、俺なの?








『…俺は、紗奈とは無理……』




『…なんで?』



俺の言葉に間髪いれずに紗奈がそう問いかけてくる。








『紗奈はお前はいつも完璧な女だったよ。
 親や先生、同級生の奴らの期待にも応えるべく必死でさ…。

 でもお前は周りの目を気にし過ぎ、そんで気にかけ過ぎ。
 
 お前はさ、愛され方も愛し方も不器用過ぎなんだよ、だからお前に必要なのはお前の中身を知って、それでもお前を想ってくれる奴だと思う。

 だから、海は適役だと思うけど?』





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