あれは、高3の秋の終わり。


受験が本格的になり、紗奈も志望校への勉強に必死だった頃。



バカな俺は高卒でもいいと思っていたけど、毎日必死に勉強している紗奈の隣で、俺も紗奈と勉強してた。


一人だけで遊んでられない、その思いも事実、けど勉強を一緒にするという名目で紗奈との時間を増やしたかった、それが第一の理由だった。





俺は紗奈のことが好きで、

紗奈も俺のことが好きで、

卒業後バラバラになってしまっても俺たちは大丈夫だと信じてた。



俺は、ずっと信じてたー…






でも、紗奈は違った。




『陸は、私のことなんて忘れていくんだろうね…』




ある時、紗奈の家で勉強をしてる時、紗奈がポツリとそんなことを言いだした。






『なんで?』





『だって…陸はいつも素っ気ない…。
 今みたく会う時間が減れば、私のことなんて…』





紗奈が不安になってるー…


そう、直感で思った。




でも、その頃、俺は本当に素っ気ない態度を紗奈にとっていた。


だって、紗奈は普通に俺の腕に自分の腕を絡ませてくるし、二人きりになるといつもキスをしてくる。



俺だって健全な男子高校生、好きな女にキスされたり、体の密着があれば当然意識するものがあって…




でも、そんなダサいこと紗奈には言えなくて。


気がつけば、ダサい自分を隠したくて、紗奈には素っ気ない態度を取ってしまっていたんだ。