ごめん、好きすぎて無理。

全てがバレる時




病院の夜間出入り口の前に車をつけ、海を先に降ろす。





『海、先に行け!』



『分かった、A棟、後はナースステーションで聞いて!』




海はそう言って、夜間出入り口から入っていく。


俺はその姿を見た後、病院に併設されてある駐車場に車を停めに向かった。




エンジンを切って、車から降りた時、これ以上先に進んでいいものか迷う…





海が戻ってくるまで待つ、べきかー…


でも、きっと紗奈の両親から連絡が入ったってことはきっと紗奈の傍にいる…





ここで待っていても、仮に紗奈の部屋に行こうとも、海が何かを知る、あるいは何かを感じることだけは確かだ。






俺は決心を固めるー…





海の入っていた夜間出入り口から俺も病院の中へと入った。







院内に入ると、所々の明りがあるだけで、ほとんど真っ暗な感じで、俺は病院の案内図を探し回る。





エレベーターのところまでやってきたところで、その壁に病院の案内図を見つめる。






『確か海はA棟って言ってたよな……』





今はB棟だから、ここを左に曲がって、連絡通路を通って……



道を確かめている、その時、A棟のある文字が目に入った。







『……小児科、婦人科、産科……』





一瞬、最後の目に入った文字に、なんとなく、なんとなくだけどここじゃなければいい…そう、思ってしまった。




紗奈は子どもじゃないし、小児科ではない、だから婦人科だ。







そう言い聞かせながら、案内図で確認した通りにA棟に向かって歩き出す。













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