私の仕事と結婚
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「おはようございます。」

声をかけながら、オフィスに入っていく。

「おはよう。」

返事をしてくれたのは、私がアシスタントとしてついている横山さん。

私達の会社は中堅住宅メーカーである。

営業さんにそれを補佐するアシスタント、2人で組んで動く。

営業さんは主にお金関係の話や住宅の構造を、アシスタントは住宅の内装のノウハウを得意としていて、必ずと言って良いほど契約した施主と会う時は2人で対応する。

大体3年周期でこの組み合わせは代わるのだが、横山さんと私は組んで4年目になる。

横山さんの受注率が高い為にアシスタントを代えると効率が悪いという事で、そのままもう1年組むことになったのだが、わが社では本当に珍しい事だ。

それ程横山さんは営業マンとしての成績はずば抜けている。

「今日は最後の施主のお宅に19時に向かうから、遅くなるけど大丈夫か?」

いつもの事ながら細やかな点を気遣ってくれるので、気分よく仕事が出来る。

「はい、長引かないと良いんですけどね。」
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