ハートブレイカー
16
彼は私の脳内までマッサージをしてくれたのか。
思考が麻痺するまでグチャグチャに揉まれていたのだろうか・・・。
よく考えてみたら、カリスマ性が高い彼に、味方がいないなんてことはありえないのに。

でも。
味方はたくさんいても、信頼できる人は少ないかもしれない。
味方が多い分、敵も多いかもしれない。
それは・・・上に立つ人の宿命だ。

『信頼したいと思っている女は、おまえだけだ』

誰かにあんなことを言われたのは、初めてだった。
だからか、正直驚いたし、嘘でも冗談でも・・・嬉しかった。

私を信頼したいのは、直哉の母親だから? そうだよね、たぶん・・・。


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