鏡怪潜〜キョウカイセン〜
それからしばらくして、私のスマホがブルブルと震え始めた。


警察署に行っていたから、マナーモードにしていたのを忘れていたけど、流石にこの状況で震えるとびっくりする。


誰からだろうと思って画面を見てみると……。

















「紫藤京介」
















ゲーセンで遊んでて、今帰ったのかな。


その程度にしか思わずに、私は電話に出た。


「何?今話す……」


『おい、菜月!雪村が死んだってマジかよ!』


今は話す気分じゃないって言おうとしたのに……京介はいつもこうだよ。


「知ってるんだったら私にきかなくても良いじゃない。今、気分が悪いから切るよ」


『いや、待て!お前は……大丈夫だったのか?怪我はないか?』


「……怪我はないけどさ。目の前で咲良が死んだんだよ。そっとしておいてよ」


それだけ言うと、私はスマホを耳から離して終了ボタンに指を置いた。


『菜月!ちょっ……』


その声が遮られるように通話が切れ、ホーム画面に戻した時、私の目に飛び込んできたものは……。













メッセージアプリにあった、19件のメッセージ受信だった。
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