イケメン無愛想S男子と契約を
曽良 アオ そら 青空
光がさす小さな中庭。



昼休みの間、みんなはここにはあまりこない。



それをいいことに、ここは君たちの絶好のストレス発散場所のようだ。







「あのさ...きょうね私バイトなの。
面白いことないとバイトが嫌で鬱になっちゃぁーう。」



「ゆりが、楽しいことしてくれるってさ!ほら!」




また、君たちは私に


面白いことを強制する。



「そうなのーぉ?嬉しいなーバイトがんばるぅ〜」


キャピキャピとうるさい声で言う目の前のぶりっ子女子に

その方を持つクール女子。



興味なさそうにスマホを触りながら、ニヤリと笑う傍観よそおい女子。




これは


『周りからは仲良し高校生ごっこ』である。

見た目はみんな私に好意を表す。
だけど
中身は嫌気を私に刺してはドロドロの関係を保つ。





私は、みんなの気に入らない女。



嫌でも、いやでも立ってなきゃいけない。



「...うん。いーよー!何すればいい?」




笑顔をふりまけば、君たちはキャーキャーと騒ぎ出す。




.....今、私は

気に入らない子はハブられる世の中の中心にいる。



君たちに嫌われたら私はおしまい



いや...もうとっくに嫌われているけども、

それでも自分を守らなきゃ。



教室の隅で一人で悲しくいるような女なんか嫌。



私は、周りの目を気にする。



だから.....オモテ面は友達としてやってくれてる君たちに



私は従うしかない。





「あ!いいこと思いついたぁ!」


クスクスと目の前の子が笑い出すと

次々に隣の子へと耳打ちで話し合う。




......私を使って私に面白いことをするためのネタを。







「アオくん、曽良アオくんに告白しよう!」






.......胸がズシリと痛くなる。




どうしても避けたかった。


これは.....できやしないにきまってる。





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