「あ!!みつけた!!優衣ちゃん!!」


私は、大嫌いな上司。錦戸慶がこちらに走ってくるのが背中に目があるかのように、わかる。

なぜなら、これがいつものお決まりパターン。



「優衣ちゃん!!探したんだよ~」



嘘つき。最初から最後まで見てたくせに。



「あれ??みんなお揃いでどうしたの??」

「優衣ちゃんとお話ししてたの♡」



嘘つき。一方的に暴言吐いてただけじゃん。



「おいおい。慶くん。そこは、女子トイレの入口だぞ」

「部長。あ、これはこれは、女性の皆さん。失礼しました!!」

「え~っ!!錦戸くんなら大歓迎よ~♡」

「やれやれ。慶くん、女子トイレに入るなんて、セクハラはダメだぞ!!この歳の僕でもしてないんだからなっ!!」



嘘つき。いつも私のおしり触って、肘で胸つついてくるくせに。



「あははー♡部長がセクハラなんてするとこ想像できないーっ!!」



嘘つき。お前らいつも笑って見てる。








私は走ってこの場から逃げ出した。


あいつらの…私の3つの恐怖である人達の不気味な笑い声が…

ずっと頭の中でこだまする。




もう、こんな会社、辞めたい。



仕事に来てるのに、仕事にならない。

それが何より辛くて、苦しくてたまらない。




誰も助けてくれない―――……。