――…溺愛、かぁ。


3時限目の講義に向かいながら、ぼんやりとその言葉を頭に思い浮かべた。



――…そうなのかな?


もともと恋愛に疎い私が、こんなに好きになったのは藤堂さんだけで。

そして、こんなに愛されるのも初めてのこと。

どこまでが普通で、どこからが溺愛かなんて、私には到底わかりそうにはなくて。

確かに、一緒にいる時は甘くて蕩けそうになるけれど、離れている時間の方が遥かに多く、真希ちゃんが言うほどではない気もする。



――…藤堂さんは仕事だし、私はこうして大学だし。


教授の声が静かに響く教室で、ノートを取りながらそんなことを考えていたのだけど。



「――美智子、顔、真っ赤!」


講義が終わってすぐ、たまたま3時限目も一緒だった真希ちゃんが、席を立った私を見て目を丸くした。



「へ…?」

「ちょ、ちょっと、座って、ほら」


もう一度私を椅子に座らせた真希ちゃんが、おでこへと手を当てた。


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溺愛  社長  イケメン 

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