ずっと隣で・・・
・・・・なるほど・・・そういうことか・・・
このまま私が何か言おうものなら間違いなく修羅場化する。
・・・・帰ろう・・・
「・・・お忙しいとこお邪魔して悪かったわね。さようなら」
私は最後の別れを告げると
くるりと向きを変え階段の方へと歩き出した。
「千鶴!」
私を呼ぶ声が聞こえたが私は振り向かなかった。
そして英斗が追いかけてくる事もなかった。

まだ私に対して気持ちが残っているのなら追いかけてきたはずだ
だけど来ないということは・・・・そういうことか・・・
もう終わった・・・・

何が遠恋よ。

どのくらい歩いたのだろう・・・
せっかく秋の京都を満喫しようと思ってたのに
・・・泊るとこなきゃ帰るしかないじゃん。
さよならした時点でここにとどまる理由はなくなったし
はっきり言って英斗のいる京都から早く出たかった。
私はそのまま駅へと歩いた

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