ずっと隣で・・・
私は、ボストンバッグを持って立ち上がった。
自分の意志とは反して次から次へと涙が頬を伝う。
何とか声は出さないように押し殺しているが
肩はひくひくと動いてる。
きっと後ろにいる人にはバレバレよね。
こんなことなら最前列じゃなくて最後尾にいればよかった。
こんな状態じゃ席に座るのもはずかしい、
席には座らず扉の近くの方が・・・
泣きながらもいろんなことを考えてた。
すると後ろから

「こんな状態で新幹線に乗るのはやめたほうがいい・・・」

そう言って足元に置いてあったボストンバッグを持ち
私の腕を引っ張って
新幹線を待つ列から離れ移動させられた。
・・・だ・・誰?
いきなりだった。
私の腕を掴んでる人がどんな人か涙でよく見えない。
わかるのは長身でスーツを着た男の後ろ姿だけだった。

< 6 / 204 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop