キミじゃなきゃダメなんだ



「...................」


シーン。

静まり返る場。

後ろからの視線が怖い。


うう、痛い。足擦りむいた....最悪。

てゆーか、さすがの私も恥ずかしいです。


「...すいません...」


バス停を目の前にして、よろよろと立ち上がる。

イケメンさんは私のちょっと後ろにいたけど、すぐには何も言わなかった。


案の定、膝を痛々しく擦りむいていて、血が出ていた。

高校生にもなって...ハァ。


なんだ今日は。厄日か。

眠いし痴漢現場には遭遇するしイケメンの前で転ぶし。

悪いことばっか起きてるんですけど。



パンパンと、スカートについた砂をはらう。

すると、イケメンさんが不安そうな目をして、私の前へ歩いてきた。



「...大丈夫?」



大丈夫です大丈夫ですもう大丈夫です。

イケメンに心配されるという人生の一大イベントに、思わず痛みを忘れた。


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