キミじゃなきゃダメなんだ
┗里菜とチョコちゃん
みんなより遅れて教室へ戻ると、もうみんな制服に着替え終わっていて、慌てて着替えた。
掃除も終わって、帰りのホームルームも終わって、みんながぞろぞろと帰っていく。
「マルーっ」
帰りの準備をしていたら、里菜が私のところへやってきた。
「今日も、先輩とお勉強?」
「ううん。今日はないよ。用事があるんだって」
「あら」
なんでもなしにそういうと、里菜はニターっとした笑みで、私を見てきた。
「ふふふ、それは残念だねぇ、マル?」
「.....その笑顔ヤメテ」
そーだね。残念だよ。
だって今日は金曜日で、土日が終われば月曜日はテスト。
もうちょっと先輩に数学を教わりたかったっていうのは、切実に思った。うん。そんだけだよ!
「からかわないでよ」
ムッとした顔をすると、里菜はやけに機嫌のいい顔をして、「まぁまぁ」なんて言ってきた。