キミじゃなきゃダメなんだ

┗『覚えててね』




それから二日間、私は先輩と『友達として』、いつも通り話して、笑った。


やっぱり私の目に映る先輩は格好よくて、なんかキラキラしてて、よくわからないけど抱きつきたい衝動に駆られた。


これが好きってことなのかな。


先輩の目が私を見て、細められる。


その瞬間、私の中に何かが広がる。


じんわりとした、愛しさ。

同時に、胸を締め付けられるような、切なさ。


先輩は、二日前私が泣いてたことに関して、特になにも言わない。


でも気になってるんだと思う。

ふとしたとき、視線を感じるから。

たいてい、彼がじっと私を見てるから。



...好きだって言ったら、このひとはどんな顔をするんだろう。



そう思うだけで、あの真っ黒の感情が消えてく気がした。


私はもともと、順応性があるというか、都合よく物事を処理するのが上手いんだと思う。


先輩を好きだと思う気持ちにも、徐々に慣れていった。

あの嫌な感情に、戸惑うことも少なくなった。




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