キミじゃなきゃダメなんだ

┗好きです、付き合ってください



「今日の放課後、告白する」


翌朝の金曜日、駅のホームで言い放った私を見て、里菜とチョコちゃんが驚いた顔をした。


「お、おお....が、頑張ってねマル」

「やっと決心したのはいいけど....なんかあったの?」


チョコちゃんがこんな風に心配するのは、今の私の顔がちょっと凛々しいからに他ならない。


今日の私はひと味違う。

戦う乙女なのだ。

恋愛ファイターは決めた。


「ちょっとね。いい加減、自分に腹が立ってきたというか」


逃げない、負けない、失敗しない。

格好よく決めてやる。


一言だけでいい。


『好きです、付き合ってください』


これだけだ。

恥を捨てるんだ。緊張とかしない。怖くもない。

勇気を出すんだ!


昨日、私はようやく気づいた。

私がこうやってウダウダと悩んでる間にも、先輩はさぞかしモヤモヤしていることだろう、と。


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