キミじゃなきゃダメなんだ

┗不器用ダーリン



「おめでとーっ!!」


パンパーンと、クラッカーが鳴らされた。

土曜日の朝の、駅のホームで。


今日は定期的にある、土曜の特別授業の日。


いつもなら『なんで土曜に学校に行かなきゃいけないんだ...』と布団から這いずり出てくるんだけど。

昨日のことを里菜とチョコちゃんに報告しようと思うと、なんか気分が明るかった。これが任務を達成した兵士の気持ちではと思った。


で。


『無事彼氏ができました』報告をした次の瞬間、里菜がクラッカーを鳴らしたのだ。駅のホームで。公共の場で。


「ば...馬鹿!?馬鹿なの里菜!!」

「えっ?リナの成績はマルよりいいよ?」

「ち、違うわ!こんなところでクラッカー鳴らすな!祝ってくれるのは嬉しいけどね!?」


周りのひとがめっちゃ見てるよ!迷惑そうな顔してるよ!

ほら!あそこのおばさまが!『これだから最近の若者は...』って顔してるよ!ごめんなさぁい!

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