白いジャージリターンズ~先生と私と空~

嫉妬


―嫉妬―


美亜ちゃんの結婚式が終わり、先生と一緒に自分たちの結婚式のDVDを見返した。


「空は?空は?」
ときく空を抱きながら、この時はこの子がいなかったんだなとしみじみ思った。


空がいない生活を想像できなくなっている私だけど、ふたりの時間も最高に幸せで楽しかった。


結婚式の先生を見ていると、少し今とは違っていることに気付く。

これが、父親になるってことなのかな。


見た目は出会った頃のまま若々しい先生だけど、目線というか、なんだろう、空を見つめる瞳は父親になってからの瞳だと思う。



これからどんな風に変わっていくんだろう。

ずっとそんな先生をそばでみていられる幸せを感じつつ……


早く、もっとおじさんっぽくならないかなぁ、なんて感じることもあって。



「空君ママ、何あのイケメンな旦那さん!!」

あれから初めてのサッカーに行くと、ママさんたちに囲まれた。

「目立ちすぎるよ、パパ!」

「しかもラブラブだしねぇ、うらやましい」

「あれで、体育の先生でしょ?絶対心配だよね」



私は、てへへと笑いながら誤魔化して、空のサッカーを観ていたけど、心は動揺していて……

こういう時、何を言うのが正解なのかわからない。



「そうですかねぇ」

と答えるしかできなかった。



「パパとバーベキューとかしたい!!」

「ねぇ、ほんと!イケメン教師連れてきてもらって、うちの主人なんて置いていきたい」


黙って聞いていたけど、衝撃的な一言が出た。


「雰囲気、高田コーチにちょっと似てるよね。空君ママ、高田コーチも好みなんじゃないの?」


空気が変わった。


「先生とかコーチとかそういう役職の人を好きな人って、いるからね」

ボスママが、続いた。



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