アイスクリームの美味しい食し方
「ほら、焦げちゃいますよ。

俺に焦げたハンバーグ食べさせたら
何されるか分かりませんよ?」

「っんっ。やぁ!」

佐々 新は
何が気に入らないのか、
私に嫌がらせをしている。


後ろから腰に手を回し、
耳の後ろに唇を這わせている。


甘い声が全身に痺れをもたらす。


「耳が弱いんだな。」

背筋にはずっと電気が走っていた。
でも昼間とは全然違う。

恐怖しか感じない。


「お願い…
やめてください!」
私は、ハンバーグをひっくり返しながら
訴えた。


「やめないですよ。
店長に色目なんか使って。」

佐々 新が
怒っているのがわかる。

「ちがっ!!あっ!!」

反論しようとした時、
彼の手が、
私のエプロンの下に入ってきた。

頭が真っ白になった。

一体何が起こってるのか。


「俺以外のやつに触られて
嬉しいなどふざけているのですか?」

こういうことを
強要するために
私を住まわせたの?


私は屈辱で
言葉が出なかった。

はらはらと涙がこぼれてきたが
怖くて抵抗できなかった。

「触られて、抵抗もしないなんて、
がっかりです。」

それだけ言うと、
その場を去ってしまった。

私は、黙って
1人でハンバーグを食べた。

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