その女たちとは、出会い系のメールで知り合ったらしい。

出会い系

今まで私の出会いの選択肢に出会い系はなかったし、思いもしなかった。

出会い系…か。

元彼は、ただ友達が欲しかっただけだった、と弁解した。

言い訳にすぎない。

私にとっては立派な浮気。

現に私との会う予定をキャンセルし、他の女の子と遊んでいた事もあるらしい。

もちろん体の関係もあった、と。

呆れた。

一人ではなく、複数。

何があなたをそうさせた
私

いろいろな想い出が頭をよぎる。

しかし、もう想い出。

しかも嫌な想い出に変わってしまった。

出会い系…かぁ。

なぜか引っ掛かる。

未知の世界。

だからどんなしくみかもわからなかったし、それで複数の女と付き合う…意味がわからなかった。

泣きじゃくった私をマヤがそっと見る。

気分を落ち着かせようとタバコに火をつける。

おいしくない。

味がしない。

ガラスに映る私。

泣き疲れた。

ブスな私。

ボーッと外を見る。

何も目に入らない。
何の音も聞こえない。

頭の中は、元彼への怒りと切なさでいっぱいだった。

タバコの灰が長くなっているのも気付かず、外を見続けた。

元彼は戻ってこない。
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