【完】一粒の雫がこぼれおちて。
←1粒の雫→





side 和泉蒼空





正直、人間は馬鹿だと思う。



恋愛だとか、友情だとか。


そんなものに気を取られている暇があるのならば、勉強するとか働くとか。


もっと時間は有意義に使うべきだと思う。



「ひっ、く、……っ。」



ほら、言った途端だ。



道のど真ん中に座り込んで泣く女と。

その女から距離を取る、いかにもな男。


見てて腹立たしい。



そんなくだらないことに時間を使うなんて。


馬鹿にもほどがある。



どうせああやって泣いていても、次の日にはケロッとした顔で1日を過ごしていて。


また何日後かには、新しい男を隣に連れて歩いてるんだ。



僕はああいう馬鹿な人間が、この世で1番嫌いだ。





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