斎藤先生からの視線が痛い。

何かを探るような目つきがこわい。

先週長谷部先生が私の手元をひょいと覗き込んで、履歴書の写真を指さしながら、「なかなかコワモテじゃん。俺たちとキャラがかぶることがなさそうで、ますますバラエティ豊かなホスト集団になってよろしい」と悦に入っていた。

そのとき私は長谷部先生の軽口をたしなめはしたけれど、それなりにそのセリフに面白味を感じてはいた。

が、今は全く面白くない! こわいだけだ。


さすがに社会人十年もやっていればプライベートと仕事の線引きはきっちりしていると見え、斎藤先生はあの後すぐに驚いた表情を掻き消し、私に「お世話になります」とお辞儀をした。

そして、鈴木先生から私にバトンタッチ。


斎藤先生に割り当てられた机は、印刷機を置いてある机の真横で、長谷部先生と向き合い、そして岸先生の斜め前。

私は印刷機の前に椅子を引いてきてそこに腰をおろし、現在斎藤先生に事務所のことについて説明を差し上げているところ。

斎藤先生は何も言わない。

いや、私の説明に疑問が生じる都度質問を投げかけてくるけれど、それだけだ。


鈴木先生は十時早々に来客があり、面談室に行ってしまった。

亜沙子さんもお客様へのお茶出しを終え、パソコンに向かって作業に没頭している様子。

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