先生とシンデレラ2
日常
動けない。

でも動かないと。

そう思いつつ、ちらっと壁にかけてある時計をみる。

どうしよう。

授業まであと、三分しか。

膝の上に頭を乗せて、眠っている人の顔を苦々しく見る。

起こしたら怒られるだろうな…

でも無言で授業サボることになるし…

それはそれで怒るよね…

どうしよう。

そう考えていると。

「…すごい顔、してるよ。」

寝てたはずの先生が、私の膝に頭をおいたまま私の頬に手を延ばしてきた。

「起きてたんですか…」

先生はゆっくりと起き上がって、自分の乱れた髪の毛をさっさと直す。

「うん。今。」

「そうですか…」

私がそう言うと。

先生はちらっと壁に掛けてある時計を見て。

「…ちょっと。授業、もうはじまるじゃん。早く行きなよ。」

誰のせいでここにいたと思ってるんだ。

そう思いつつ立ち上がって、じゃあ行きますね、と笑うと。

先生は出てこうとする私に向かって、背を向けながら
「明日もまた、おいで。」
と言った。

その言葉に、思わず微笑む。
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