「え?!お前、結婚して奥さんと一緒に暮らしてんの?!いつから?!」

…うるさい。

手元にあるパソコンをお互いに打ち続けながら。

「…結婚したのは二週間前、暮らし始めたのは一週間前。」

その言葉に同僚である、瀬川湊は、うんうんと頷きながら
「そうかそうか、お前にもとうとう恋愛が分かったか!」

「いや、政略結婚だよ。女に興味無いから、手頃な女と結婚しただけ。」

「…っお前、最低だな…」

呆れ笑いをする同僚に目を向けて。


「…何でそんな事言われなきゃなんないわけ。わけわかんないんだけど。」

「いや、だってお前さぁ…」

「何。」

「嫁さんって良いもんだぞ?仕事で疲れた時とか家帰ったら、嫁さんの顔見たら疲れが吹っ飛ぶ「現実的に見て人の顔を見るだけで、疲れが吹っ飛ぶなんてあり得ない。」

「いや、それは比喩表現であってさ、」

「じゃあ、何。」

「〜っ…例えば、起きた時に隣に好きな女がいたら「好きじゃない。関心さえない。あんな子供に、恋愛感情を持てる方がおかしい。っていうかそもそも求めてない。」

「あのな、恋愛感情はな、“持てる”じゃなくて…」

睨みつける俺の顔をじっと見た瀬川は。

「ま、これは俺の口から言ってもしゃーねーわな。」

「…は。」

かた、とコーヒーカップを手に、席を立った瀬川は手を止めた俺を見下ろしながら。

「いつか気づくよ。」

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