わたしはみんなに殺された〜死者の呪い【前編】〜



「あーっ佐久間ちゃんだー!
おはよぅ!」

「っ!!
お、おはよう………」

「はぁ?なんつった?
全然聞こえねーんだけど…」

「あ……その……ごめんなさい………」

「私も聞こえなーい!智哉は?」

「佐久間には声帯が無いんじゃないか?
声が出せないんだったら、聞こえないのも無理はない」

「わーっ、そうだったのぉ、佐久間ちゃん?
かわいそーっ!!」


私が黙っていても佐久間を弄る声は続いていって、勝手に笑い声が起こる。


「よーし、じゃあ智哉に手術してもらおっか!
手術室へゴー!」


真理がふざけて手を引くと、佐久間は少し抵抗する。


だけど、広樹が早く行けと佐久間を蹴ると、大人しくついていった。


「おいおい…俺は手術なんて出来ないよ」


と言いながらもここあと共にその後に続く智哉。


「ははっ、面白いものが見れそうだな。
ほら、明美。早く行こうぜ」

「………そうね」


私たちも続いて教室を出る。


移動した先は、体育館裏のもう使われなくなったトイレ。


よくいじめる時に使う場所だ。



< 84 / 136 >

この作品をシェア

pagetop