課長の独占欲が強すぎです。

 そして、お風呂に入れば入ったで案の定なやりとりが繰り広げられる。

「自分で洗いますってば!!」

「遠慮するな、俺が洗ってやる。だからお前は俺を洗え」

「なんですかそのいやらしい洗いっこは! 絶対イヤです、和泉さん絶対変な事するし!」

「するに決まってるだろう。ほら、さっさとこっちへ来い」

「ちょっと開き直りすぎじゃないですか!?」

 必死の反論むなしく、私は椅子に座った和泉さんの膝の上にヒョイッと乗せられてしまう。本当に小柄は損だ。

 そうして逃げ出す間もなく泡だらけのスポンジが私の身体を滑り出した。

「きゃはは、くすぐったい! くすぐったいですよ和泉さんっ!」

「ジタバタするな、洗いにくい」

 優しく洗ってくれてるつもりなんだろうけど、それが却ってくすぐったくて私はジタバタと身を捩る。

 やがて、面倒になったのか和泉さんはスポンジを放って泡立てた自分の手で私の身体を撫で始めた。

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