課長の独占欲が強すぎです。
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ランチタイムのおかげで、みんなと……特に宍尾さんと少し打ち解けられたような気がした私は、上機嫌で午後の業務に取り掛かることが出来た。
宍尾さんてでっかいし食べる姿も豪快だけど、小食を気にして俯いてしまった私に『食べる量なんざ人それぞれだろうが』なんてフォローしてくれたり、案外優しい人なのかもしれない。おっかないなんて偏見だったかな。
そんな事を考えながら始めた業務だったけど、まだ慣れない環境に一生懸命になりながら作業を進めてるうちに頭の中は仕事一色、時間はあっと言う間に過ぎていった。
今まで居たビジネス書・一般文芸と違って、漫画はやっぱり受発注の数が桁違いだ。取引先も手広くて書店だけでなくコンビニなど多岐に渡る。
前の事務の人が分かりやすく一覧を作ってくれていたし、営業の人も複雑なものは自分でやってくれているけど、このままじゃ受発注だけで一日が終わってしまいそう。とても提案資料や宣材のお手伝いまでは手が回らない。
数字のミスが無いようにパソコンとにらめっこしながら慎重にキーボードを叩き続けていると、モニターの隅にある時計が15時を知らせていた。それを見てハッと顔を上げると、私は大きく伸びをしてから椅子から立ち上がる。
お茶にしようと思った。以前いた部署では15時になると1番下っ端の私がお茶を淹れるのが日課になっていたので、やはりここでも1番下っ端の私がそれをすべきだと思ったのだ。