星屑埋葬~赤ん坊の死~

story7.

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メグは、これからゆっくりと映画が観られる、と思った。

眠っている赤ん坊を背に、メグは映画館を出た。

あまり近くで画面を見上げていたので、眼がひどく疲れ、頭の芯が痛かった。

五時間近くも映画館の中で過ごしたメグは、外へ出て日が暮れていることに驚いた。

二日も赤ん坊の消息がわからず、主人たちがどんなにさわいでいるだろうと思うと、痛快な気がした。

しかし、飲食店を探しているうちに、メグは次第に気が滅入ってきた。

もしかしたら、警察沙汰になっているかもしれない。

そんなところへ帰って行ったら、自分は監獄へぶち込まれるのではないだろうか―――


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