――午後12時40分。


「ねぇ、ちょっと早く着きすぎたんじゃないの?」


咲坂家一同は、都内の三ツ星ホテルのレストラン会場で、お見合い相手の登場を待っていた。

お見合い開始は午後1時ジャスト。

ここに着いてから岩崎先生に場所と時間はメールで伝えたけど…まだ返信は来ていない。


『早い分には構わないでしょう?遅れたほうが失礼よ。』

「そりゃそうだけどさ…。」


それにしても、気合入りすぎなんじゃないの?

ここにきて、お見合いをすることがとても憂鬱なものに感じられてくる。

休日なのに、何でこんな緊張しなきゃいけないのよ。しかも三ツ星レストランって…初めて足を踏み入れたからどんな振る舞いしたらいいのか分かんないし…。

無駄にだだっ広い室内を見渡していると、ギィッと重い扉が開く音がした。


『初めまして~、三上と申します~。』


室内に入ってきたのは、初老の夫婦と40過ぎの男性。

三上家が入ってきた瞬間に椅子から立ち上がった両親に後れを取りながらも、私も立ち上がった。


『初めまして~!咲坂です~。本日は貴重な時間を割いていただいて、誠にありがとうございます。』

『いえいえ、お気になさらないでくださいな。』


お母さんと相手方の女性がにこやかに挨拶を交わした。


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