夜の11時過ぎ、

モノトーンで統一されたおしゃれなリビングに、高いエンジン音と軽快な音楽が響き渡る。



「あぁっ!!また負けたっ~」


大声と共にコントローラーを持ったままラグの上へ倒れ込んだ。


60インチの大型テレビに映し出されているのは、赤い帽子がトレードマークのキャラで有名なカートゲーム。

仕事で遅い藤堂さんが帰って来るまでの暇つぶしに「これならドンくさい姉貴でも出来る」と弟の悠史がくれたのだけど。


こんな子ども向けのゲームぐらい簡単にクリアできると高をくくっていた私。

ところが、カートをそこそこ走らせることは出来るようになったものの、どうしても1位にはなれなくて。



――…もう何だかめちゃくちゃ悔しい~っ!


と、その時、



「――どうした?大声出して」


いつの間に帰って来てたのか、真上から藤堂さんが覗き込んだ。



「た、貴之さん…お…かえりなさい」

「ああ…」


藤堂さんは床にひっくり返っている私からテレビに視線を移すとその口角を上げた。



「カートゲームか」




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溺愛  激甘  イケメン  社長 

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