「――これと、こっち、どっちがいいですか?」


大学から美智子をマンションに連れて帰ると直ぐに、彼女が服を手におずおずと俺の前へやってきた。

ひとつはクリーム色のワンピース、もう片方はワインレッドのショートドレスで。



「……ん」


どちらも今日は今ひとつだ、と思いながら眺めれば、



「…じゃぁ、――…」


ジッと俺を見ていた美智子が自分の後ろのソファへ手を伸ばした。



「…これは…?」


戸惑いがちに彼女がソファから持ち上げたのはターコイズブルーのショートドレス。

それは以前、美智子の為に俺が用意した数着のドレスのうちの一枚で、その鮮やかな色がセイシェルの碧い海を思い起こさせるもの。



「――いいだろう」

「えっ…ホントにこれ?」

「ああ」


俺の呆気ないほどの了承に美智子は驚いた顔をしたが、



「わかりました。――すぐに支度をしてきます」


すぐ気を取り直し、ドレスを持ち歩き出す。



「――美智子」

「はい…?」

「指輪はダイヤだ。――婚約指輪の」

「…わかりました」





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溺愛  激甘  イケメン  社長 

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