「あ…」


玄関でピンヒールを履く美智子の肩へ掛けたのは白いストール。

細いシルクの糸で編まれた総レースが露わになっていた背中をふんわりと包み込む。



「これなら大丈夫だろう」

「…ありがとうございます」


ホッとした表情を浮かべる美智子。

その肩を抱き玄関を出ると迎えの車が待つエントランスへと向かう。



「今夜GLANC・グランには上得意の客も来る」

「……」

「その客たちにどれだけアピール出来るかで今後の売上げも変わってくる」

「…アピール…」



視線の先に、車寄せに停まるベンツとその横に立つ山崎が見えた。



「ここから先は俺の指示だけに従え」

「…はい」


美智子は不安げに俺を見上げていて。



「――大丈夫だ。俺から目を離さなければ」


顔を近付け茶色の瞳へと俺を映り込ませた。


――それ以外はない、と言い聞かせるように。






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溺愛  激甘  イケメン  社長 

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