――…あ~もうずぶ濡れ…


まるで夏の夕立のような雨の中を、大学から15分ほど歩いて帰った来たのだけど。

足元はもちろん、肩先から腕までびしょびしょで。

まったく濡れていないのは傘の真下にあった頭だけ。



――…シャワー浴びた方がいいかも

秋も深まってからの雨はかなり冷たく身体に寒気が走るほど。



――…これじゃ藤堂さんの言うとおり熱が出ちゃう。


今朝言われたことを思い出し、慌ててバスルームに駆け込んだ。



「――ふうっ…」


熱めのシャワーでゆっくりと冷えた身体を温め、部屋着に着替えてリビングへと戻った。

ちょうどいい暖かさに設定されている部屋の温度にホッとしながらソファへと腰を下ろす。



――…あ…れ?


座った途端ふわっと香ったのは藤堂さんの匂い。

でももちろん、本人は帰って来ているわけでもなくて。



――…私?


昼間真希ちゃんに言われたことを思い出したけれど、まさか今シャワーを浴びたばかりの自分からするはずもないしと、辺りをキョロキョロと見回した。




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溺愛  激甘  イケメン  社長 

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