幸せそうな顔をみせて【完】
5 初デートは驚きの塊?
 十分に買い物を楽しんだ私の手にはいくつかの袋が持たれている。中身は会社で使うステーショナリーとか自分の部屋に欲しかったディフューザーだったりと色々。さっきのメモスタンドは可愛くても今の私には必要ないものだったけど、いくつかの店を回って私が買ったものは必要なものばかり。


 いい買い物が出来たと思う。


 さっきは悩んだけど、今回はさほど悩まかった。前々から欲しいと思っていたものだったのもあるけど、実際に必要というのが一番大きいと思う。特にディフューザーはどうしても欲しかった。今までは消臭スプレーを愛用していたけど、店の中をみていて、竹の細い棒からの芳醇な香りに魅せられ、仕事で疲れた身体を癒して欲しいと思った。


 そして、いくつかの香りの中から好きな香りを選んだ。いくつもあった中で一番好きな香りは甘いフラワーベースの物で今までの私なら選ばなかったものだと思う。


 今までの私が買うなら柑橘系のとかミント系の香りだったと思う。でも、今日の私が選んだのはフラワーベース。それも少し甘めの香り。普段なら手に取らない香りだけど、それを手にするというのは心境の変化がもたらしているからかもしれない。


 副島新が好き。


 そんな気持ちが私の中の女の子の気持ちを増幅させる。自分の手にあるピンク色の紙袋を見ると自分の顔が緩むのを感じずにはいられなかった。たった、少しのことなのに自分の生活の一部を変えようとする『恋』の力は…。私が思うよりも凄いらしい。


 気持ちが高揚していた。
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