ナナ色Heart
第4章

眠り姫と魔女

それから数日の間、何事もなく過ぎ去っていったけど、あたしも山内君も何だかぎこちなかった。

あたしよりもむしろ、山内君の方が以前と違う感じなのよね。

あんなに、『ボケ!』を連発してたのに、今はそうじゃない。

凄く気を遣ってくれてるし、態度も言葉も優しい。

あたしを不安にさせまいとする彼の気持ちのあらわれなんだろうけど、なんか、最初の彼と違うんだ。

あたしが真央にそう言うと、

「は?あんた最初、彼が想像してた感じじゃないとかなんとかって、残念がってなかった?
今みたいな、暴言吐かない優しい彼を想像してたんじゃなかったの?だったら、今があんたの理想で、万々歳でしょーが」

う……そう言われると、返す言葉がない……。
< 156 / 339 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop