印堂 丈一郎の不可解な生活
「おい貴遊」

丈一郎は私にも言葉をかける。

「おめぇも逃げちまった方がいいんじゃねぇのか?おめぇは調息使えねぇんだろ?」

「お気遣いなく」

背中に冷たい汗を感じてたけど、私は丈一郎の申し出を断った。

確かに私は調息を使えない普通の女子高生だけど、お爺ちゃんと一緒に暮らしている事で場数は踏んでいる。

それに…何でかしら、何か妙にワクワクするんだけど。

調息使いのお爺ちゃんの血かしら。

「ケッ、跳ねっ返りの気の強ぇ女だぜ」

悪態をつきつつ。

「だけどその度胸は気に入ったぜ、危ねぇから前に出んじゃねぇぞっ?」

丈一郎は私を庇うように前に立った。

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