印堂 丈一郎の不可解な生活
「く…!」

丈一郎はすかさず私の手を握る。

「逃げるぞ貴遊!」

まだ未熟で、甘ちゃんで、調息使いとしては半人前以下の丈一郎が、この時ばかりは一片の迷いもなく、頼もしいまでに私を導いてくれたのを覚えている。

「爺さんの覚悟を無駄にする訳にはいかねぇ!ここは逃げる!いいか貴遊!『爺さんを見捨てる事』が、爺さんへの優しさであり勇気だ!」


















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