訳アリ店長に”恋”しちゃいました♡【番外編追加】
第二章

恋のシグナル


*-*-*


なんで絢がここに居るんだ?

訳が分からない。だって彼女は今――。



「湊叶、探したよ?」



あの頃と変わらない、優しくて可愛げな笑顔を浮かべる絢。

けれど少し痩せたな。

元々細かった彼女の腕が、更に細くなった気がする。


きっと、俺の所為――。

あの時俺がもう少し考えて行動していれば……。

何度悔やんでも悔やみきれない。

俺の軽率な行動で、絢を苦しめたんだから。



「絢?もう身体は、大丈夫なの?」

「ねぇ、湊叶。何か作ってよ。私、お腹空いちゃった」



抱き付いていた腕を解き店内を見渡すように、体の向きを変え俺から距離を取る。

そして問いを避けるように、話題を変えようとした。

< 60 / 303 >

この作品をシェア

pagetop