雨の中、会社の前の歩道で涙を流しながら座り込むわたしを、あなたは見つけてくれた。

傘をさして、わたしの腕を掴んで立たせ、そっと肩を抱く。

「体が冷たい。このままじゃ風邪を引いてしまう」

淡々とした声がわたしを気遣っていて、困惑した。
あなたは自分の着ているスーツの上着をわたしに羽織らせる。甘いムスクの香りに、胸が騒ぎ出す。

「車に乗りなさい」

そう言われて戸惑いながらも車に乗ったわたしの隣で、あなたはわたしの頭を優しく撫でてくれた。

「家まで送るから住所を教えてくれ」

このとき、苦しくて切ない想いと、あなたへのときめきが混ざりあっていた――。

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