「はい。行きます」

『じゃあ、待ってる』

電話を切ったわたしはもう、感情が高ぶってにんまりしてしまった。

誰かが見たら変な人だと思う。携帯を握りしめて笑っているなんて。

急いでオフィスに戻り、荷物を持って専務室へ向かった。

エレベーターで他の部署の男性社員と一緒になり、七階のボタンを押したらちらりと見られた。

わたしが役員の階に行くのが不審なのだと思う。
なんだかおどおどしてしまった。

七階に着き、早足で専務室のドアの前にやってくると、ひとつ息を吐いてノックをした。

すると中から耀太くんが。

「来た来た!」

ドアを開けてすぐにわたしの手を掴んで引っ張ってきたので、うわっとなった。

顔を上げると、専務と佳世さんの姿も。
専務と目があって、頬が熱くなった。

「こんばんは」

佳世さんに穏やかな微笑みを浮かべながら挨拶をされたので、わたしは慌てて返す。

「座って座って! 静希くんのとなり!」

にこにこしている耀太くんは、ソファーに座る専務の隣へわたしを連れてきた。

恥ずかしくて隣を見ることができない。耀太くん、専務とわたしを交互に見るのはやめて! と言いたくなる。

わたしが座ると耀太くんは満足気な顔になり、向かいの佳世さんの隣に置いてあるリュックに駆け寄ると、漁りだした。

その姿を見ていたら、佳世さんが申し訳なさそうな声をわたしにかけてきた。

「ごめんなさいね、来てもらって」

「いいえ。予定とかもないので……」

ぺこぺこしながらそう言うと、耀太くんが再びわたしの元へ。

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