専務が挨拶をしたいと言っていることに動揺しているみたい。

「とりあえずお父さんに伝えておくわ」と母は言った。

それから数日後、母が連絡してきて父がうなずいていたということを聞き、わたしが間で両親の都合と専務の都合をあわせたのだった。

しかも母は姉にも話をしたらしく、今日は姉もいるらしい。


どきどきと、不安。

『着いたから出てきてくれ』

専務からの電話はお昼過ぎ。マンションの部屋でそわそわしながら待っていたわたしは、急いで外に出た。

止まっている車にいつもと同じように乗るはずだったけど、手前でつまずいておっとっと、となった。

恥ずかしい。

「大丈夫か?」

「は、はい……」

きまり悪い顔をしながらドアを開けて乗り込もうとしたとき、どきっとした。

今日の専務はきりっとしていた。わたしの両親に会うからかな。
シンプルなワイシャツとジャケットに、仕事のときと同じように整えられた髪。

堅実そうな身だしなみと、いつもと変わらない綺麗な容姿に見惚れてしまった。

「ドアを閉めなさい」

専務が笑みを浮かべて言う。ぼうっとして開けたままだったドアをわたしは慌てて閉めた。

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